秋刀魚(サンマ)の刺身、である。
秋刀魚は足がはやいので、十数年くらい前までは、首都圏の居酒屋では滅多に食べられるものではなかった。
当時は、いわきより北でなければ、秋刀魚の刺身は難しい、と言われていた。
冷蔵保存設備の充実などで、生の刺身が普通になったのだろうが、これはけっこう最近のことなのである。
実際、宮古かどこかの漁協に注文して氷詰で一箱送ってもらったことがあるが、刺身で美味かったのは到着した当日だけ。
頭を落として、内蔵を抜いておいたが、翌日には、生でも大丈夫ではあるが酢で軽く締めた方が美味い、という状態だった。
20年くらい前、北海道にいた頃、秋刀魚の刺身といえば、ルイベ(冷凍したものを半解凍状態で食べる)だった。
ルイベといえば鮭が代表的だが、これもかつては寄生虫がいるのでルイベは食べても生では食べなかったものである。
なので、最近のトロサーモンには、いまだに違和感がある(笑)。
秋刀魚、今年は豊漁らしい。