もう十数年も前のことになるが、30歳を目前にしてソフトウエアエンジニアからIT系雑誌の編集記者に転職した。
10月31日が送別会で、翌日の11月1日から新会社だったと記憶している。
パソコン通信はまだダイヤルアップの2400bps、携帯電話も当然持っていなかった。
業務の引き継ぎが不十分だったので、連絡用に自宅にFAXを買ったのが懐かしい。
独身だったけれど、貯金はゼロ。
クルマのローンだけがあって、退職金はローンのボーナス払いにも満たないくらいだった。
ソフト開発の仕事は、そこそこ面白かったのだけれど、会社が不調で仕事のない時期が1年半くらいあった。
メーカー系のソフト会社だったので、残業なしではとても暮らせない。
給料前の1週間は断食という状況で、次々に天井に食い物が浮かんでくる中で、考える時間だけはたっぷりあった(痩せていて体調も抜群だった)。
で、これはイカンと次のことを考えられたのだが、そこそこ忙しかったら、あまり考えずに流れていたと思う。
ガ島通信さんの退職の話を読んで、ふと、こんな昔のことを思い出した。
こんな状況に自分を追い込みながら、自分を変えようとしているのは素晴らしいと思う。
今では、ビジネスパーソン向けのWebサイトを運営するようになって、「雑誌の会社のWebサイトとは?」と自問しつつ、1日の大半をディスプレイの前で
過ごすようになったが、ガ島通信さんのような人といっしょに仕事ができると、厳しいけれど楽しいだろうな、と思う(笑)。
そういえば、転職した当時から使い続けているモノは、意外に少ない。
服は、ネクタイとステンカラーコート以外は、全部着られなくなった(笑)。
天板だけの仕事用の机、ベッド、クルマ(16年目)、アナログのレコードプレーヤとスピーカー(JBL4312)くらいだろうか、、、。
家族も増えたり、減ったり、、、。
けっこう年月が経ったのだなぁ、と実感させられる。