用意されている各種の機能やユーザー・インタフェースから考えて、FOMA P701iD は「電話」である。
当たり前だが、電話である。
カメラの画質も画素数を考えると褒められたものではないし、カメラやメール端末としてよりも、
電話に重きが置かれている、という意味で電話なのである。
ユーザーが設定できるものは少ないし、明らかに変な操作を要求される。
つまり、ユーザーに対してP701iDの作法を否応無しに強要するようなところがある。
例えば、メニュー・ボタンを連続して3回押したらプリセットされた便利機能に一発で飛べるという仕様になっているが、
「3回押す」ってのは端末だけ見ていても絶対にわからない。トリッキーに過ぎると思う。
携帯では、「長押し」が操作の基本の一つだけれど、「3回押し」って、、、。
もっと言えば、プリセットしておきたい機能は、ユーザーによって違うとも思う。
もう一つ気になったのが、ツータッチダイヤル。
これが登録できるのは電話だけなのだ。特定の電話番号を登録しておけるというだけ。
本当は、ネットのこのサイトに接続、というような操作を登録したいところ。
この辺が、「電話だなあ」と思わせるのである。
写真を撮ってそれを見ながら何枚かを連続的にメールで送ろうとすると、1通送るたびに必ず待ち受け画面まで戻ってしまう。
これなども、メール端末のユーザー・インタフェースとしては洗練されていない感じがする。
これが、メール機能から入って「新規メール作成」を選び、写真を添付してから送信すると、
新規メール作成のところに戻るので多少使い勝手はよくなる。
とはいえこれは、写真をメールで送るという同じ操作なのに画面遷移が違う、という見方も出来る。
また、画面に見えるアイコンは2ボタンがベースになっているのだが、ハード的には4ボタンなので、1週間経過してもまだかなりの違和感がある。
ま、はっきり言ってしまえば、電話をベースに場当たり的にメールやカメラなどの機能を付加していった、という感じがするのである。
ついこの間まで使っていた FOMA F900i は、カメラ、メール、電話のどれが主たる機能なんだかよく分からない、という端末だった。
どっちかというと、電話というよりはパソコン的な感覚があった。
これは、ユーザーの設定の自由度や設定できる機能の幅広さに現れていたと思う。
ツータッチに任意の機能を割り当てられたり、普段は自分専用のメニューにしておいて、たまに込み入ったことをする時には
標準メニューにワンタッチで切り替えられたり。
構造化、オブジェクト化されている感じがしたのである。
ま、シンビアンのOSってことですね。
もちろん、「慣れ」ということはあるだろうけれど、2年半前の端末でこの違いはエライことだと思う。
もう一つ。端末側面のハードボタンに専用機能を割り当てるってのが、なんとも洗練されてない感じにつながるものである。
例えば、INFOBAR では、メールアイコンのボタン、memoという表記のボタン、EZ Webアイコンのボタン、という3つのボタンがある。
これでも、洗練されてない感じは十分だったのだが、、、。
P701iDには、「モード/ホーム」と「メモ/カクニン」って表記のボタンがある。
せっかくのデザインではあるが、この「カクニン」ってのがなんとも、、、。
あまり貶してばかりでもアレなんで、ちょっと良い点も書いておくと、
・
ソフトの動き自体は、F900i より軽い
・電池ももつようだ(ま、新しいからってのもあるだろうけれど)
・ブックマークが最後にアクセスしたURLがいつも一番上に来るようになっているのは良い
・端末の重量が軽い(カメラで手ブレしやすい、とも言えるが)
ということは言える。
ま、量販店では普通はモックアップしか置いてないので、ソフトの実際の操作性までカクニンして選ぶ、というわけには行かない。
携帯電話会社のショップに行って、実働機で普段よく使う機能の使い勝手を確かめる、という手順を踏むべきなんだろうな、とも思わされた。
しかし、携帯電話のユーザー・インタフェースは、難しいもんですねぇ、、、。
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