ヤンキースの松井選手が左手首を骨折して長期間の治療が必要だという。
彼は、日本にいるときはあまり気づかなかったけれど、日本人大リーガーの中でも別格の本当のスター選手だと思う。
昨秋、NYに行ったときも、入国審査で「野球を観に来たんだ」と言ったら、審査官が「Hideki Matsui か?」と質問してきたくらい。
ま、NYだから当然といえば当然なのかもしれないが、そういう存在だ。
戦列を離れている期間が3カ月なのかそれ以上になるのかは、今の時点ではよくわからないけれど、日々試合があるのとはまったく違った毎日をどう過ごすかで、これからの選手生活が決まってくると思う。
野球や人生を、試合がない状態でこれだけ長く考えられることは、彼のような立場では、ちょっと他には考えられないからである。
日々を懸命に過ごしているときとは違ったことを、違った見方で考えることが出来るのは、得がたいことでもあるのだ。
まったく僭越の極みではあるが、本当にそう思う。
僕なんかの例で恐縮だけれど、20代のころにホントに仕事がなくて食うにも事欠くような時期があった。
そのときにいろいろ考えたことは、今でも無駄にはなっていないし、中途半端に忙しい状況がいつも続いていたら、何も考えずに流れてしまって、動けなかったのではないか、とさえ思える。
怪我ってのは試練だし、左バッターにとっておっつけるための左腕は大事なので、リハビリも大変だろうけれど、肉体はトレーニングで戻るから、そのときに精神的にいい状態でいられれば何も心配ないと思うのだ。
そのためには、普段はなかなか考えられないこと、連続出場していたときには考えられないことを考えるために時間を割く、ということが大事だと思う。
たぶん、松井選手はそれが分かっていると思う。
だから、復帰した後の松井選手、来年の松井選手は期待できると思っている。
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