久しぶりの上下巻一気読み。
テーマに「ブラジル移民政策の失敗」という社会性を据えたエンターテインメント。
荒唐無稽なところもあれど、よく練られたストーリーがすばらしい。
込み入った比喩を入れたり、過去の名作に範をとったり、といった手法とは対極にある軽妙な筆致で、ストーリーをどんどん展開。
息つくヒマもなく読ませてしまうのは見事。
クルマの描き方に妙なこだわりが感じられたり、どんなに悪いことをしていても、その底にある種の正義感が存在するところなどが、テーマの重さを感じさせない一因かな。
いやー、面白かった、というなんともベタな感想が一番相応しい(笑)。
「暗闇にノーサイド」(矢作俊彦・司城志朗)に匹敵する作品だ。
コメント