愛用の銀塩カメラのシャッターボタンには、レリーズボタンを付けている。
グリップはなくても、レリーズボタンは必需品だ。
レリーズボタンは、直径数ミリのコマというかキノコのような形をしていて、軸の部分をシャッターボタンのネジ穴にねじ込んで使う。
「タッチレリーズ」などとも呼ばれ、シャッターを切るときにボディに人差し指が当たらないので手ぶれしにくい、表面の感触が良い、などのメリットがある。
最近のカメラやデジカメなんかだと、シャッターボタンにレリーズ用の穴があいていないものが多くて、この辺の小物に楽しみを見つける者としては、ちょっと不満でもある。
七宝焼の色とりどりのレリーズなんてのもある(笑)。
2、3日前にふとカメラを見たら、レリーズがない。
服にすれたりして、ねじが緩むことがあるのだが、そのまま気づかずにどこかに落としてきてしまったらしい。
カバンの中なども当然探したが、ない。
形、大きさ、色、感触、とほぼ完璧なものだっただけに、かなり痛い。
色違いのがあったかも、他にもいくつかあったかも、などと自宅の棚などを漁っていたら、新卒で就職した会社の社員章(スーツの襟の穴に付けるヤツ)が出てきた。
これがなんと、シャッターボタンのネジ穴にぴったり。
誂えたような収まり具合なのだった。
この社員章は、本当は辞める時に返さなきゃならんのですね。
確か、紛失しました、スイマセンっていう始末書を書いたような記憶もありますが、ま、時効ってことで(笑)。
その会社は、90年に辞めて16年以上経過しているのだが、、、(笑)。
ま、人生に無駄なことは何もないなぁ、などと思ってしまった。