「本末転倒」というのを英語で言うと、「Mistaking the means for the end」らしい。
意味を後回しにする間違い、、、。ま、「手段の目的化」とも言う。
で、世の中、本末転倒に溢れていると思う訳ですね。
例えば、iPodのイヤフォンって標準のものは、そこそこですがそうたいしたものではない。
そこで、JBL(こちらへ)とかB&Oとかのイヤフォンにするわけですが、前者は約1万円、後者は1万4000円くらいする。
iPod shuffle など、1万円しないことを考えると、あれれ? と思ってしまう訳です。
さらに、白いiPodなのに黒いイヤフォンを買ってしまって、黒いiPodを買い直す、などということにまでつながってしまう。
もちろん、趣味の世界であれば、手段の目的化、アンバランスな投資、買い物が買い物を呼ぶ状態、これこそが醍醐味ではあるのですが、そこには強い意志と大きなエネルギーが存在します。
世の中の「基準値」ってのも本末転倒の典型ですね。例えば、高血圧。
ちょっと前までは、上160/下95以上が要治療の高血圧だったということですが、今や130-80が基準値になろうとしており、その結果、国内の約5000万人が高血圧のレッテルを貼られることになると言います。
基準値がどういうプロセスで決まるのかと言うと、厚生労働省が学会とか有識者による委員会の意見を基にする訳ですが、その学会自体が大手製薬会社がスポンサーになったりしている場合もあるようです。
つまり、基準値のさじ加減一つで、降圧剤の処方による製薬業界へのお金の流れが決まることになるわけで。
流行のメタボリック症候群にしても、ウエスト91センチ以上はダメ、って言われても、身長も何も言及していないアバウトさ。
こういう基準値だけに自分の数値を照らして一喜一憂することのバカらしさ、な訳です。
基準値というものはすべからく、この手の本末転倒感が包含されていると思うのですね。
これが企業になると、本来のビジネスを追求することよりも組織を守ることが目的化したり、立場が上になればなるほど顧客や市場を見るよりも社内ばかりに目が行ったり、社内の仕事ばかりが増えたり、公正な評価(なんて無駄でしょう?)のために休日出勤したり労働時間が延びたり、などなど挙げればきりがないほどに、ますます本末転倒な状況に充ち満ちています。
例えばIT業界では、Windows Vista という新OSが発売になったのですが、これが全米で10万人の雇用につながる(移行やトラブル対応で人手が要る、と言われてもな、、、)、なんて本末転倒な市場創出さえあったりして大変ですね(苦笑)。
とはいえ、人間というものは本末転倒あっての存在、という側面もあるわけで、地球環境を食い尽くすまで自己増殖するのが人類だ、などという根源的な話から、食わなきゃ生きて行けんが食い過ぎて太るのも人間、と言った話まで本末転倒感に満ちている、とも言えるのです。
というわけで下記、3月31日(土)PMの予定です。
「本末転倒な事態」に無意識のうちに浸っていないか? それじゃダメだろ。
意思が作る、本末転倒なくらいのエネルギー。それがコンヴィヴィアルな環境を作り、共に強く生きていく基盤になるのではないか?
現在、または近い将来に見られるいくつかの「本末転倒」な事象を通して、フラット化する世界を生きのびる術を探ってみる。
OVAL LINK総会イベント2007
生きのびるためのメディアリテラシ
〜フラット化する世界とコンヴィヴィアリティ〜
スペースロックオペラ『オレコンドットビズ』とともに
…通称:「オレコン」
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本末転倒な事態
まったく、世の中本末転倒な状況が多すぎます。
投稿情報: たま:トラックバックが化けるので | 2007/02/05 10:49