こんな雑誌を買うのは本当に久しぶり。
鉄道ピクトリアル6月号。なんと特集は「SLブーム」。
今、保存されているSLが若い人にブームなのかと思いきや、1970年代前半の廃止寸前のSLブームとはこういうものであった、という懐古・分析の特集なのである(苦笑)。
こんなサイトを作りかけている(スキャンが面倒で、、、)身としては、やはり買わねば、ということで。
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http://ttanabe.cocolog-nifty.com/70s/
カラーは、当時は中学生には高価だったので本数が少ないため、これはというカットはスキャン済み。
あとは、数十本のモノクロのネガフィルムをいつスキャンしようか、って状態。
自分でやるよりパレットプラザとかに頼んだ方が早いのだけれど、ま、失敗のカットもたくさんあるし、ということで、、、。
ちなみに、表紙を飾るC57の135号機は、岩見沢機関区にいたので、僕も何度か撮影している。
(室蘭本線の最後の客車を牽引したのがこの機関車なんですね)
特集の中には、他にも僕が撮影したことのあるD61、C62、C58、C55、C11などの記憶になるナンバーの機関車がいくつも出ていて楽しい。
「本特集はでは、ブーム関連の場合のみSLという言葉を使うが、他は原則として蒸気機関車という言葉を使うことにする。」とか、「昨今の鉄道ブームには心強いものがあるが、SLブームは鉄道ファンのすそ野を広げるのに重要な役割を果たしたのである。」とか、なかなか厳しく、また、唯我独尊的な記述も多々あってかなり面白い。
「中高生のSLファンには長男が多かった」とか「ブームの底の浅さを感じさせるものがあった」など、ファンの多様化と子供まで蒸気機関車を追いかけている様子を苦々しく思っていた感じも、そこここに見受けられる。まさに、中1、中2くらいで、望遠レンズがないので線路の近くで撮っていた僕のことであるな(苦笑)。
三脚と望遠レンズの大人から、画面に入るからそこをどけ、と何度怒鳴られたことか。
あんただけの撮影場所じゃないでしょ、と思ったけどね。
1974年くらいの室蘭本線は、最もSLの本数が多くて、1日に20本近く撮影できたんだけど、真冬の北海道の戸外に1日いるのは相当寒い。カメラも動かなくなるんで、懐に入れておいて、汽車が来たときだけ出す。
冬のSLってのは、まわりは雪で真っ白、SLは真っ黒、ってことで露出が難しいんだよね。
暗室でプリントのときに、「覆い焼き」してナントカ、というようなネガもたくさんあるな。
ま、でも、悪いことばかりではなくて、場所にもよるけれど、夏は湿地帯で入っていけないようなところも、冬は凍り付いていていいポジションから撮影できたりした。
塩狩峠に1日1本だけのC55を撮りにいったとか、道東を回って、C11とC58を撮ってきた、とか、今では廃線になった線路を撮ったとか、いろいろ思い出はあるなぁ、、、。
で、この雑誌、読み手のリテラシも相当に要求される。例えば、
・「ヨンサントオ」= 昭和43年10月のダイヤ改正のこと
・「パシフィック」= 動輪が3軸で先輪2軸、従輪1軸の「2C1」という車軸構成の機関車(C57が代表的)
などという言葉がなんの説明もなく用いられている。
ちなみに、C56などの「1C1」はプレーリー、8600(ハチロク)などの「1C」はモーガル、C62は「2C2」でハドソン、D51は「1D1」でミカドという(このページに全部出ています)。
特集がSLブームである一方で、当然のように、横浜市営地下鉄「グリーンライン」の開業などもカラーページのニュースになったりしている。
まともな広告は、表2(表紙のすぐ裏)にある模型の天賞堂くらいのもの。
文字ギッシリで読むところがやたらと多い。
しかも、この雑誌、当然のようにWebサイトがない(爆)。
いやいや、さすがである。
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