宮城・岩手内陸地震で真っ先に気になったのは、栗駒山麓の「湯の倉温泉」であった。ほとんど震源の真上ではないか、と思われるほどの位置にある、山間の一軒宿、ランプの宿である。
湯の倉は、土石流で流されて犠牲者が出た駒の湯からみると栗駒高原の反対側に位置する。湯浜、湯の倉、温湯、南側に山を越えると鬼頭、鳴子と、このあたりはいい温泉の宝庫で、若い頃には、オートバイでよく行っていた。
湯の倉の前を流れる一迫川は、素晴らしい清流で、人工の護岸もない。ちょっと下流のほうで、オフロードバイクで川渡りなんかをしたこともある。
ヘリで数名が救助されていてけが人はいない、ということだったが、湯の倉の前を流れる一迫川に土砂ダムができてしまっているという報道もあって心配していた。
河北新報のサイトに写真があった。
土砂ダムで増水した川で1階部分は浸水している。写真の左上が母屋、右下の大きいのが客室。客室のさらに右下に露天風呂だった。
この湯栄館は、何度も行ってリラックスさせてもらった宿である。
川沿いの駐車場にクルマやオートバイを置いて、細い林道を20分くらいかけて歩いて登っていったところにある。
客室には電気がなく、灯りはランプのみ。夜は、川の音と虫の声しか聞こえない。
内湯も良いけれど、川原(もちろん、川は超のつくような清流)の露天風呂が最高だ。
2泊して、なか日が雨、なんてときは、それこそ1日中、風呂に入って、本を読んで、ビール(湧き水で冷してある)を飲んで、風呂に入って、を繰り返すのである。
台風に当たってしまって、露天風呂が増水した川に沈んでしまって入れない、なんてこともあった。
もちろん、晴れていたら、露天風呂に入って、のぼせてきたら川にも入って、素っ裸でどんどん沢を登って、小さい滝壺につかって、、、というところである。
この状況だと、復旧して営業再開までにかなりかかりそうだし、近くの別の温泉では、お湯が出なくなったところもあるようなので、そっちのほうも心配だ。でも、倒壊したり土砂崩れが発生したりしなかったのは、不幸中の幸いかな。