明らかに今年から目立ち始めて、これはイカンと思ってるのは「シシャモの刺身」。
シシャモってのは、10月中旬から11月中旬にかけての1カ月くらいの間だけが「漁解禁期間」でそれ以外は沖で間違って網にかかる事はあっても、意図して獲ってはいない魚。
シシャモは小さくて「あしがはやい」ので、刺身はこの解禁期間に地元・鵡川でなら食べられる、というものであって、北海道でもほとんど食べたことのある人はいない。
シシャモってのは、鵡川近辺だけで獲れる地域固有種の魚であって、禁漁期間が変わったって話も、獲れる量が増えたって話も聞かない。
ということのはずなのだが、7月下旬に札幌で食べた、9月中旬に都内・青山で食べた、シシャモの刺身は初めて食べた、という話を相次いで耳にして、これはイカンと直感したのであった。そもそもこの話の主は、30年も酒を飲んでいる人たち(ま、オレもそうだ:笑)であって、食に関しても一目置ける人物で経験範囲は信頼できる。そういう人が初めて食べたって言ってることからも、なぜ今まで無かったのか、ということを考えたい。
推測ではあるけれど、今年から「シシャモの刺身」を本格的に売り始めた人がいるのではないか? カペリン(カラフトなんとかって魚で、市販のシシャモの干したのはほとんどはこれ、というのは周知の事実)を冷蔵運送の工夫で「シシャモの刺身」として売るようになったのではないか、と。
で、「本物のシシャモ」の刺身は、冒頭に書いたように希少なのでどうせ誰も食べてないだろうから、味なんか分かりゃしないでしょ、と。
世の中が本当はカペリンだけどシシャモって呼んでいるので、言葉は世につれ、ってことで実質的にシシャモを名乗ってしまっているのか?(そういうもんじゃないだろ!)
「鵡川の本柳葉魚の刺身」とさえ言っている場合もあるようで、もし本物であるならば、「鵡川の本柳葉魚」ってだけではなくて、いつ獲れたものをどうやって入手しているのか、はっきり説明して欲しいものだ。安全とかではなくて(カペリンの刺身だったからって危険なわけではない:笑)、事実をはっきりさせて欲しい。ま、お店さえも、これを考えついた業者に騙されているだけかもしれないのだが・・・。
前にも呆れて書いたけれど「生ビール」なんてのは、この手の話がそこら中に(それこそ、四方ハッポウに:苦笑)あって、その後も怒りっぱなしだ。事故米と違って、転売も加工もしてないで、しれっと出しているので、なおさら始末に悪い(ま、事故米みたいに加工しちまって訳分かんない方が始末に悪いか?)。
以下、敢えて例を挙げておく。
濃い(故意)生ビールとか言わないように(爆)。
・某居酒屋で「サントリー モルツ・スーパープレミアム」とメニューに書いてあったが味が薄いので質したら「間違って宴会用の安いものを出した」(正直だけどね:笑)とのこと(これは以前にも書いた件)
・某焼き鳥屋で1杯目は「サントリー モルツ・スーパープレミアム」だったが、同じモノを注文したら、明らかに味と香りが違うビールが出てきた。質しても「1杯目と同じモルツスーパープレミアム」と言い張っていた(まだ1杯目を飲み終えてない人のジョッキで比較確認したのだが・・・苦笑)
・某ファミレスで「キリン一番絞り生」とメニューにあってジョッキも一番搾りのマークだったが、中身は明らかに発泡酒であった(味にうるさい同行者も同じ感想)
・悪質なところでは、「生」と書いてあるだけで「生ビール」ではない、と開き直るケースもあるという(ま、免責っぽくてアレですが)
こういうことを許していてはイカンでしょ?
伊丹十三氏が「スーパーの女」(1996年)で肉屋の偽装をネタにしていたけれど、それから十年以上経っても相変わらずミートホープみたいな会社が存在し続けていた、なんてのと同根。ま、訳が分からない消費者もアレなんですが、そういう人ばかりではないし、何よりウソはイカンです、ウソは。ま、これじゃ、詐欺って言われても仕方がない。
事故米の話も呆れるけれど、鰻も、肉も、鳥も、関さばも、ま、国産だのブランドだのは全部怪しいと思っておいた方が良いみたいで、不正にかかわった人はもちろんだけれど、無知なあるいは無知なまま、目や舌を鍛えようともせずに、ただ我が身が可愛くて 安心していたいだけの消費者にも、中国のことを笑ったり、 日本の食の安全を、なんて言う資格は誰にも無いと思う。
たまには、怒りのエントリーも良いかな、と(笑)。
あ、「(笑)」だと、笑いながら怒る竹中直人のようだな・・・。