BSハイビジョンの特集番組「零戦」を観た。
動態保存されている気体が飛んでいるシーン、急上昇しながら旋回していく様子に目を奪われた。機械として素晴らしく美しいと思う。
零戦は、小学校のときに何度も本を読んで、五二型が一番たくさん作られたとか、防弾板もなしで軽量化したのに最後は250キロ爆弾を積んで特攻に使われたとか、知識はそれなりに持っていた。それでも、当時の生き残りの人たちの話とモノクロの記録映像には、有無を言わせぬ迫力があって、まったくテレビの前から動けなくなってしまった。
それにしても、インタビューに応じている日米の元軍人は、皆、80代後半から90代前半。素晴らしく元気そうなのがすごい。戦闘機乗りってのは肉体的にエリートなんだろうけれど、それにしても、、、。
その中の一人は、ミッドウェー海戦に従軍して、零戦で攻撃して戻ってきたら母艦の空母が沈められていたので、海に着水して数時間漂った後、運よく救助されて御歳94歳。海に漂いながら、拳銃があったら自ら死んでいた、サメに食われてもいいと思った、などと語っていたが、壮絶な体験だ。
この人は、「僕は、戦争中は追いかける一方だったけれど、戦後になって見る夢は追いかけられる夢ばかりになった。どこかで相手も辛かろうって思ってたのかもしれない」と言っていたけれど、米軍のパイロットだった人たちも、なんとなくゼロファイター(零戦)の性能とそのパイロットの腕、作った日本の技術をリスペクトしているような感じはあった(日本の置物がいっぱい背景にあったり、ま、そういう演出なのかもしれないが、、、)。
別の元戦闘機乗りは、「陸軍の戦死ってのは、となりで戦友が血を流して死んでいくのだけれど、僕らの場合は、空から居なくなるってことなんだ。海に落ちるか、山に突っ込むかは分からないけれど、その場から居なくなるのが戦死なんだ」と語っていたけれど、そういうこと(リアルな断末魔からはちょっと距離がある)も、日米の元軍人同士のなんとなく、お互いに認めてる感じにつながっているのではないかと感じさせられる。
ま、でも、ホントに今がこの手のドキュメントを作る最後の時ですねぇ、、、。いくら元気だって言っても、もうみんな90歳なんだから。ま、話したくないって人もたくさんいるだろうけれど。
いやー、NHKには金払わなきゃいかんね(笑)。
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