いやぁ、バンクーバー五輪もたけなわですが、ほとんど見る機会がないですね(笑)。
個人的には、夏の五輪は人間の生の肉体で道具なしでどこまでいけるか、という肉体の限界を試す勝負、冬の五輪は道具を使ってどれだけのスピードを、あるいは距離を実現できるか、というちょっと違った意味での肉体の限界を競う勝負だと思っています。
例えば、スピードスケート500mと陸上の100m、あるいは走り幅跳びとジャンプ、というような感じです。リュージュやボブスレーなんかは、自動車レースに近い。
特に冬の高速系の種目は、外傷による命の危険と隣り合わせです。滑降が一番危険だと思いますが、男子滑降で銀メダルだったスビンダルも1年くらい前にジャンプでミスして大怪我をしています。時速160キロで転倒ですから、考えたくもないですね。過去には、ターンのミスでコースを外れてネットに片足が引っかかったために、又裂きになって血まみれになって亡くなったという悲惨な事故もありました。
そういう意味では、「カーリング」なんてのは、やっぱり「ヤクモノ」(男子もあるんですね、、、;苦笑)で、フィギュアなんてのもかなりの「ヤクモノ」だと思います。ま、はっきり言って、ちょっと騒ぎすぎ(笑)。芸術点とかの主観的な評価ではなくて、タイムとか距離とかの数字で競うほうが、分かりやすいしスリリングです。事前にジャッジにプレッシャーをかけたりするような話はなんとも調子が悪い。
その点、スノーボードはあまりそういうことはなくて、かなり危険なスポーツだと思いますが、ハーフパイプの印象もあって、なんとなく軟弱な感じで扱われているように思います。オリンピックでは、ハーフパイプ、スノーボードクロス、パラレル大回転で、アルペンの滑降やノルディックのジャンプのような種目がないのがちょっと残念な気がします。これは、滑降的なものはなくはないが、スノーボードに向いてないのでほとんど行われていない、ということのようです。
気になるのは、スノボ、スノボって略しすぎではないか、ということですね。フィギュア、カーリング、アイスホッケー、ノーマルヒル、ラージヒル、ショートトラック、スピードスケートなどなど、ぜんぜん省略しないわけですが、なぜかスノーボードはスノボと表記されることが多い。
ダメな感じだなぁ、と思っていましたが、これ、やはりスノーボードについての理解とリスペクトが不足しているからなのではないかと思います(ま、クロカンなんてのもありますが、、、)。
2、3日前の日経本紙のスポーツ面の丹羽政善氏のコラムがこの辺の答えの一部ではないかと思ったので、かいつまんで紹介しておきます。
曰く
・そもそもまったく違うものなのにスキー系とひとくくりにされている
・こういう状況に反発して伝説的なカリスマボーダーが長野五輪をボイコットしたが、その声も届かなかった
・五輪のようなユニフォームを着て国を背負って戦うという価値観はボーダーにはない
・スノーボードは自由な表現活動であって、点数で順位をつけることに反発しているボーダーも多い
・そのため、五輪に出ないような連中にメダル級の芸達者がごろごろしている
要するに、カルチャーやライフスタイルがこれまでのスポーツとはまったく違う、ってことなんですね。ノルディックとアルペンの次のカテゴリではない、ということのようです。
それが理解されていないので、結局、
「パーティに招待されたので行ってみたら、席は用意されてなかった、という状況で居場所を探している。」
ということなんだそうです。なかなか上手い表現ですね。
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