最初の写真は、1985年にマガジンハウスから出た「悦楽的男の食卓」。調理して、撮影して、文章を書いて、と 西川治氏ならではの素晴らしい内容。本文の紙がコート紙ではないのだけれど、じわっとした色の料理が美味そうなことといったらない。
1300円で本文中には広告はなし。表2、表3、表4をサッポロビールがシングルスポンサード。まさに雑誌全盛の頃ならではの企画ですねぇ、、、。ちなみに表4の広告は、非常にクオリティが高かったにもかかわらずすぐに消えてしまったライトビールの先駆け「NEXT ONE」。ライトビールなんで、いま出しなおしたら売れそうですけどね(発泡酒でないからダメかな?:笑)。
発売当時、「東京に出てきて」2年目で一人暮らしだった頃。この本見てはイタリアンを作ったり、中華街でアヒルの丸焼きを買ってきてはスープにしてみたり、羊のカレーを作ったりしていたのが懐かしい。この本にはどれだけ影響というか洗脳というか、勉強させられたか計り知れないものがありますね。ウンチク系だと、スパゲッティは伊丹十三、コーヒーは荻昌弘、蕎麦は池波正太郎とかなんだけれど、写真があることで見えた料理の本質、アジアの食、という意味ではこの本が一番ですね。
2枚目の写真は、スバルの広報誌に登場していた最近の西川氏。クルマで出かけていってアウトドア料理で楽しもう、という内容ですが、相変わらず、写真、調理、文章でご活躍の様子。お元気そうで何よりです(笑)。ちゃんちゃん焼きなんだけどスズキでやってみたり、マツタケの入ったきのこ鍋とか、相変わらずちょっとひとクセある内容。
写真と食べるものってのは、僕の場合、なかなか密接(たとえばこんなのとか)で、そもそもは「悦楽的男の食卓」に始まった感もあるんだけれど、銀塩の頃には、ホワイトバランスが難しい、コンパクトカメラは接写ができない、手ぶれする、といった問題があって、普通の人が日々の食を記録する、ということにはなかなかならなかったんですね。
デジタルになったことで様変わりして、ホワイトバランスはカメラの自動補正で大体OK、接写もOK、手振れ補正機能付き、枚数を気にせずどんどん撮れる、なんてことですごく楽しくなったわけですね。これなんかも、デジタルになったからこそ、だと思いますね。
というわけで(笑)、デジタルとアナログを考える「写真の境界線」。
27日月曜の20時から秋葉原のデジタルハリウッドで開催です。
お申し込みは「写真の境界線」からお願いします。
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