「星の誕生と進化」に関する論文を集めた1978年の日経サイエンス別冊である。表4(裏表紙)には、キヤノンのコンピュータの広告。このほかには、モノクロで五藤光学研究所の業務用プラネタリウムの広告が1ページ。中身は、小尾信彌 氏の巻頭言と世界の研究者の論文が10本。9本が翻訳で1本は日本の研究者のもの(原文は英語かも知れないが)で950円。
78年だから、当時、高校生かな? 理解してたんだか何だかよく覚えてないけれど、一応読んでは、今で言うところの「宇宙、やべぇ! やたら怖ぇよ」という感覚に陥っていたのだと思われる(笑)。十数年後に日経グループの雑誌の会社に勤めることになるなどとは、夢にも思っていなかったのであるな。
驚くべきは、その奥付。1973年初版、1978年八版とある。こんなもの(第一線の研究者の論文の翻訳だよ:笑)が、何部刷ってたか知らないが、八版まで版を重ねていた時代も日本にはあったんだなぁ、、、と遠い目になってしまう。
いまは、論文なんてインターネットで読めるんだけれど、たいていは英語で読まなきゃならない。小説じゃなくて論文の英語なので、それなりに読めるとは思うけれど、どこまで行っても本当にこういう解釈で正しいのか、という疑念は付いて回るのが悲しいところ。
テーマに応じて10本厳選して、読みやすくて正確な翻訳でまとめて出版する、なんてことの価値が(日本においては)なくなったとは思わないけれど、なかなか商売としては成り立たないというか、お前がもっと英語を勉強しろ、というモードになったのだと改めて認識させられる。
ちなみに、同じ時期の別の号に掲載されていた表4広告は、1万円くらいのブラウンの電気カミソリ。当時既に「シンクロン100」(おそらく広告のモデルの2世代くらい前)を愛用していたのだが、カミソリの値段ってのはあまり変わっていないのだな、と妙に納得。当時としては、ドイツ製の輸入カミソリってことで、国産よりかなり高かったんだと思うけれど。ま、でも、ブラウンとかフィリップスのこの頃のモーターってのは、やたらと丈夫で30年くらいは平気で使える(ブラウンは数年前まで使っていたし、フィリップスのコーヒーミルはすでに35年くらい使用中)ので、安い買い物なんですけどね。
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