こんな言葉があるのか知らんけれど、20年くらい前にイタリアに行ったときに、フィアットのウーノを借りてローマの街だのアウトストラーダだのを走ったときに感じたのが、「イタリア人は運転が上手いって言うけど、むしろクルマに乗るってことについてのリテラシーが高い」ってことなんだよね。
ひとことで言うと、「お互いに意地の悪いことや嫌がらせはしない。競走するのは楽しいけど」かな?
例えば、ローマの信号待ちの交差点で4車線に6台とか並ぶんだけれど、不思議にまったくストレスがない。誰も割り込んでいるわけではないし、車線より車幅で考えているから自然にそうなる感じ。日本の場合、誰かが決めた車線を優先して考えるから、2車線に幅余裕で3台入っても、選をまたいだのが割り込みに見える。ま、それはそれで、一つの方向性ではあるけれど、やっぱりリテラシー的には低い感じがする。
で、信号が青になる前から、みんな空ぶかしの半クラッチ・レディな状態で、青になった途端に向こう側めがけてダッシュするわけなんだけど、誰一人として意地の悪いブロックとか幅寄せとかしないんだよね。負けたら悔しそうなんだけど、次の信号でがんばる、ってことで後くされがない。勝ったのはうれしそうで自慢げなんだけど、次の信号ではまたイーブンな状態になる。あっけらかんとしたゲーム感覚で、お互いに笑顔でアイコンタクトしたり小さくガッツポーズしたり、という感じ。
これ、日本だと、もうにらみ合いだの、無視しあいながらの意地悪の応酬だのになって、ただただ不快なんだけど、イタリア人って不思議なほどお互いがフレンドリーで険悪にならないんだよね。たまたま信号待ちで並んだだけの見ず知らず同士であって、酒も入ってないのに(笑)。
日本(人)のドライビング・リテラシーは、昔からクルマのメーカーがある国としては最低だと思う。プロ(タクシーやトラック:まったく思い出すと腹が立つこと多数)をはじめとして、嫌がらせばかりだ(笑)。クルマってのは、必ず他の車との関係性が発生するので、その関係性を良好に保つのがリテラシーってことであって、イタリア人はそれができているけれど、日本人はどうもダメ、ってことだと思うわけですね。
ま、20年前のイタリアと今のイタリアは違っちゃってるかもしれないけれど、日本はあまり変わってないと思いますね。
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