ジャコ・フリークのADLIB編集長の松下佳男氏が、これまでのインタビューや写真、住所を書いてもらった名刺など、手持ちの資料を総動員して作ったジャコのインタビュー集。松下氏はこの本を作りながら、ジャコのアーリー・レコーディングのCDを何枚かプロデュースしていて、デビュー前のグループ(最初のグループの「ウッドチャック」とかフロリダの修行時代の音源とか)などのCDを数枚、一緒に買ってしまった。完全に釣られたんだけど、ま、企画の勝ちってことで(笑)。さすがに、9800円のコンプリートBOXは、音源としては既に全て持っているってのもあって買わなかったけど。
この本とかなり前に出たドキュメントの「ジャコ・パストリアスの肖像」と両方読むとほぼ完璧かな。CDの方は、作品というよりは、記録という内容ではあるのだけれど、20歳前で既に「ジャコの音」なんだよね。
・最初はドラムだった(ヘヴィー・ウェザーのティーンタウンのドラムはジャコだ)
・13歳のときに左手首を骨折して以来、ベースに転向(18歳で手術をするまでは左手は不自由だったそうだ)
・子供ができたので、食うためにフロリダのバンドで仕事(=修行)をしていた
・23歳のときにフロリダにツアーできていたウェザー・リポートのジョー・ザヴィヌルと出会い、初対面で「私は、ジャコ・パストリアス。世界一のベース・プレイヤーだ」と自己紹介してほどなくウェザーに加入
晩年(と言っても35歳で飛び入りしようとしたステージのガードマンに殴られて亡くなった)は、アルコール、薬物、ソウウツ病でボロボロだったのだけれど、20代のインタビューにある才気煥発でクリアな感じは素晴らしいね。
印象深い言葉はいろいろあるけれど、インタビュアーがメディアの人のインタビューはつまらないね。ま、有名人ってのは、才能のない調子の悪いインタビュアーから何十回となく同じ質問をされて大変なのだな、と思わされる(最新号のギターマガジンでスティーヴ・ハウが「どういう感じですか、みたいな獏とした質問はやめてくれ」とキレてるけど:笑)。
日本のベーシストによるインタビューが一番面白くて、中身が濃かった。
「ロン・カーターもかなり研究して、やっていることはほぼ解明できたんだけれど、ジャコ、あなたのプレイは分らないことだらけだ」
「そりゃそうだよ。ロンは生徒で、僕は先生なんだ。つまり、ロンは誰かに学んだベースだけれど、僕のは僕が考えた僕のベースであってほかにはない、ってことなんだよ」
なんてのは、もう、最高としか言えないね。
YouTubeをちょっと探すと「みんなジャコが好き」ってのがいくつも出てくるけれど、これなんかはその際たるものかな?
■ティーンタウン
http://www.youtube.com/watch?v=6LOROSGcoyU
ウィル・リーとダリル・ジョーンズが、いきなり一糸乱れぬユニゾン。ベーシストの必修科目なんだな(笑)。ドラムは、ジャコの晩年に付き合ってたケンウッド・デナード。
マーカス・ミラーは、スラップでこれをやり直していて、著名ベーシストが集まったジャコのトリビュート・アルバムにレコーディングしている。ジャコの掌からはみ出してないと思われる演奏が多い中、抜きん出て見事な感じがした。
■スラップのティーンタウン
http://www.youtube.com/watch?v=ayZ81rNWoN4
それにしても最近の本は、誤植、校正ミスが多い。「ワード・オブ・マウス」は、ざっと読んだだけで、3箇所発見した。これだと僕が出版社にいた頃の「マル確」(印刷直前の最終確認)レベルの原稿だ。出版業界のインフラ部分のレベルの低下は著しい。
amazonで最近見つけたのがこれ。
「ワード・オブ・マウス ジャコ・パストリアス 魂の言葉」
ジャコ・フリークのADLIB編集長・松下佳男が、これまでのインタビューや写真、住所を書いてもらった名刺など、手持ちの資料を総動員して作ったジャコのインタビュー集。
松下氏はこの本を作りながら、ジャコのアーリー・レコーディングのCDを何枚かプロデュースしていて、デビュー前のグループ(最初のグループのウッドチャックとかフロリダの修行時代の音源とか)などのCDを数枚一緒に買ってしまった。完全に釣られたんだけどね(笑)。
ま、作品というよりは、記録という内容だけど、20歳前で既にジャコの音なんだよね。
さすがに、9800円のコンプリートBOXは、音源としては既に全て持っているってのもあって買わなかったけど。
かなり前に出た伝記(って言うのかね、弥生が太古みたいな違和感だな)「ジャコ・パストリアスの肖像」と両方読むとほぼ完璧かな。
・最初はドラムだった
・13歳のときに左手首を骨折して以来、ベースに転向
(18歳で手術をするまでは左手は不自由だったそうだ)
で、子供ができちまったので、食うためにフロリダのバンドで仕事(=修行)を続け、
・23歳のときにフロリダにツアーできていたウェザー・リポートのジョー・ザヴィヌルと出会い、初対面で「私は、ジャコ・パストリアス。世界一のベースプレイヤーだ」と自己紹介してほどなくウェザーに加入
晩年(と言っても35歳で死んだけど)は、アルコール、薬物、ソウウツ病(ウソウツではないw)でボロボロだったのだけれど、20代の才気煥発でクリアな感じは素晴らしいね。
印象深い言葉はいろいろあるけれど、インタビュアーがメディアの人のインタビューはつまらないね。ま、有名人ってのは、才能のない調子の悪いインタビュアーから何十回となく同じ質問をされて大変なのだな、と思ったね。
(最新号のギターマガジンでスティーヴ・ハウが「どういう感じですか、みたいな獏とした質問はやめてくれ」とキレてるけど:笑)
日本のベーシストによるインタビューが一番面白くて、中身が濃かった。
「ロン・カーターもかなり研究して、やっていることはほぼ解明できたんだけれど、ジャコ、あなたのプレイは分らないことだらけだ」
「そりゃそうだよ。ロンは生徒で、僕は先生なんだ。つまり、ロンは誰かに学んだベースだけれど、僕のは僕が考えた僕のベースでほかにはない、ってことなんだよ」
なんてのは、もう、最高としか言えないですね。
それにしても、誤植、校正ミスが多い。
ざっと読んだだけで、3箇所発見した。
これだと僕が居たころのBPで言うところの「マル確」レベルの原稿だ。
出版業界のインフラ部分のレベルの低下は著しいね。