つい2、3日前に巨人の杉内投手がノーヒットノーランを達成した。しばらく前に、横浜の三浦投手が9回まで行って惜しいところでノーヒットノーランを逃してしまった。この2人の9回のピッチングというのは、どちらも「記録」を意識していながら、まったく逆のアプローチで明暗が分かれたと思う。
三浦投手は、9回まで四球のランナーだけで、1本のヒットも打たれていなかった。しかし、9回、阪神の代打・桧山にツースリーにしてしまい(ま、これが痛かったが)、さらに、「四球は嫌だから」とストライクで勝負してライトオーバーのあわやホームランかというヒットを打たれて記録が途絶えた。
一方、杉内投手は、9回2アウトまで一人の走者も出さない完全試合だった。しかし、最後のバッターに際どいところを見逃されて四球。「パーフェクト」は逃したものの、次のバッターを打ち取ってノーヒットノーランを達成した。これも確かカウントはツースリーだったと思うけれど、ここで際どい球、振ってくれれば空振りか当たっても凡打、見逃されてもストライクなら三振、最悪でも四球でノーヒットノーランは続く、という投球を冷静にしていたように見えたんだよね。
ホークス時代に、打たれた悔しさで拳骨で壁を殴って商売道具の手を骨折した人とは思えなかったし、記録ってのはこうやって達成するもんだ、ってメッセージに見えたね。そりゃ、完全試合もしたいだろうけど、それを狙いつつ、最悪の結末(ヒットを打たれること)を避けた結果のノーヒットノーランだからね。
ひとつ気になったのは、阿部捕手が声かけにマウンドに行ったことだね。まったくの無駄というか、百害あって一利なしの行動だと思ったね(苦笑)。杉内投手も、後のインタビューで「まったく覚えていません」とのことで、覚えていても無意味だよ、って言ってるようにしか聞こえなかった。
ま、記録はその人のものだから、好きにやった結果をぐちゃぐちゃ蒸し返すな、って話はあれど、あれほどのベテラン投手でも「四球は嫌だ」と考えているのか(ま、ホントかどうかは分らん。手元が狂って甘くなったのかも知れん)、と思ったし、これからも記録に挑む選手はたくさんいると思うけれど、この辺をクリアできていないと、達成できる記録も達成できないと思うんだよね。ピッチャーってのは、さすがオレだタイプが多いし、有り余る肉体的能力とセンスで誤魔化しているけれど、熱くなっててアタマが真っ白、なんてことも多いんだよね(笑)。
要するに、惜しかった、結果はしようがない、がんばった、本人も納得(んな訳ないと思う)、で終わらせるなよ、ってことなのだな。これは、何にでも言えることなんだけどね。
ま、オレなんかは、リリーフで出て行ったら「相撲じゃないんだぜ~」って野次られたとか、7連続四死球うち3連続死球(相手のキレた態度を審判が注意していたよ:笑)だったとかで、ノーヒッターなんて夢のまた夢なんで、まず、尊敬しろ、って話なんだけどね(三浦さん、すいません。小学生の頃からの大洋ファンなんでお許しを:笑)。
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