本日、シングルモルト・ウイスキーの「グレンモーレンジ」と「アードベッグ」の最高蒸留・製造責任者のビル・ラムズデン博士が東横線・日吉のバー「画亭瑠屋」を訪れてセミナーを開いてくれた。
写真は、自らの製品をテイスティングしつつ語るラムズデン氏。今回は、グレンモーレンジ・オリジナル(10年熟成のスタンダード)、同アスター(高品質の樽で寝かせた57.1度のノンチルフィルター、カスクストレングス)、同ネクタドール(ソーテルヌワイン樽でフィニッシュ)の3種。
とにかく、まず、香りを楽しめ、と嗅いで嗅いで嗅ぎまくる(笑)。その後、ちょっと加水して味を開かせる。グレンモーレンジ10年をオリジナルにモデルチェンジした張本人に「昔の味に回帰させた」と言われると、反論はできないね。確かに、シェリー、ポート、マディラの3種類のウッドフィニッシュが出てきたころから、シェリーを使った18年(私にとって最高のウイスキーの一つ)やアルチザンカスクなどを経て、今のラインアップにつながるというのが、同じものを作り続けるだけではない進化なのだな、と思ったね。
それと、最近、ジャックダニエルを見直していたんだけれど(昔より美味くなっていると思う)、グレンモーレンジの樽はジャックダニエルを4年貯蔵したものを使っているとのこと。品質の良い樽材を選んで、それをジャックダニエルに使ってもらって、その後その樽をスコットランドに運んでグレンモーレンジを寝かせる。ということで、ジャックダニエルは、グレンモーレンジのウッドマネジメントによって樽が昔より良くなったので味も良くなったのではないか、などと思ったのでした。まったくの推測ですが(笑)。
ラムズデン氏は、話も上手で約2時間まったく飽きるところがなかったが(酒はもうちょっとあっても良かったね:笑)、グレンモーレンジとアードベッグという、これ以上ないくらい異なる個性のウイスキーの責任者っていうのは大変ではないか? と質問したら、「奥さんと不倫相手みたいなもんでマイ・プレジャだよ」って素晴らしい回答が返ってきた(笑)。