ジブリと宮崎駿の最新作「風立ちぬ」。
平日夜の渋谷は満員だった。カップル多数の満員の映画館なんて久しぶりだ。
こないだ観た「グランドマスター」なんて、オレ含めて客は4人(しかもオレが最年少と思うw)だった。いい映画だったけどなぁ、、、。
で、風立ちぬ。
子供の頃、「零戦物語」(確か、そんなタイトルの誠文堂かなんかのハードカバー)を何度も読んで、零戦の型(五二丙とかね)や操作系統(右手が操縦竿で上下を制御、左手はスロットルで速度を制御、左右のペダルで方向舵。これで3次元を自由に飛ぶんだから信じられん)などを全部覚えた身としては、あまりにすべてが美しすぎたかな。ま、戦闘機に限らんのだけれど、3.11以降の世界に対して「文明」ってどうよ、って話だと思ったね。
「煙草を吸っちまう」ところが、ハイライトだね。ま、煙草だけに(笑)。
タバコという「文化」(絶滅寸前だ)に「文明」と「文明がもたらすもの」を象徴させたのだと思うんだけどね。前述の「吸っちまう」とこなんて、文明というもの、あるいはその禍々しく美しい文明に意識無意識は別として魂を売ってしまうってことの本質を見事に示している。
こういう表現について、喫煙シーンが多いと問題視している勘違いした人達がいるのがまた可笑しいよね。ま、ポリティカリー・コレクト的に表面的/形式的な表現の良し悪しだけを見ているということか。
これだけじゃなくて、全編に声高ではないけれど文明に対するメッセージ(日独伊しか出て来ないとか、「1機も帰って来なかった」とサクッと言わせるとか、台詞の含意もいろいろだ)に溢れた映画であって、これは子供にはまったく理解できないだろうね。
あと、「ひこうき雲」って曲は、何十年も経過してポンとエンディングテーマに持ってきても、まったく古くささを感じさせないんだからたいしたもんだね。プロコルハルムの「青い影」へのオマージュだなとは思ったが(笑)。エンドロールで席を立つ失礼な人を防止する最良の方法でもあったw
上映までにちょっと時間があったので、晩飯食ってビールを飲んで入ったら、途中でトイレに2回(ったく2時間もたんのか?:苦笑)。周りの方、前を何度も横切ってごめんなさい。エンドロールで席を立つより始末に悪いか、、、。
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