土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」を読んでいて、真っ先に浮かんできたのがインドカレーでした。インドカレーの味付けは、発酵食品の味噌ではなくて「複数のスパイス」と野菜(トマト、タマネギ、ニンニク、ショウガなど)が普通ではあれど、メインとなる素材の味わいの生かし方など、日常の食事に対する考え方には、和食との共通点がとても多いと思いました。
写真は、サラッとした汁気の多いキーマカレー(鶏挽肉のカレー)にナスとピーマンなどを追加した具だくさんのカレーと、ドライに仕上げたアルジラ(クミンの効いたジャガイモのカレー)で「一汁一菜」を構成。これ、キーマカレーの鶏挽肉以外の材料は全部野菜で、いわゆる「ルー」の類は一切使っていません。
それにご飯とパクチー(パクチーは、カレーの仕上げに混ぜても良いのですが、トッピング的に混ぜながらフレッシュなのを食べるのが好きです)でお腹スッキリの食事です。
こういうのは、自分の好みの辛さにできるし、マジで美味いし、バランスも良いと思います(自画自賛なれどw)。
他にも一汁一菜的なインドカレーを想定すると、例えば「具だくさんの野菜カレーにアチャール(いわばインドの漬物)」、「素材の味わいを大事にしたチキンや豆のサラッとしたカレーに、ドライなサブジやタンドールで焼いた鶏や羊」などなど、まさに一汁一菜的なのが、気張らないインドカレーだと思います(「ハレ」のターリーなんかは別ですよ)。
以前、初めてアルジラ(その時はさらっとしたソース多めのカレーにしましたが)を作ったときに、「あー、これ、ジャガイモとタマネギの味噌汁と同じ考え方だな」と思いましたが、「一汁一菜」にも相通じるとは、これはちょっとした発見でした。
というような偉そうなことを書いてしまったのも、このお店「インド家庭料理 ラニ」のカレーを体験し、シェフのメヘラ・ハリオムさんから多くのことを学んだから、ということは間違いありません。私のインド料理の師匠です。知らない世界を教えていただいて、本当に感謝しています。
※蛇足
で、今さらなのですが、写真にある「少し油を吸わせてカレーに入れたナス」と「パクチー」ってのは、素晴らしい相性ですねぇ、、、。和食ではパクチーは使いませんが、焼きナスに削り節の代わりに「パクチー盛り盛り」にして、ごま油と醤油を垂らす、なんてのも美味いかもしれません。
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