アードベッグの新作「トリー・バン 19年」。
一度は潰れかけたアードベッグをグレンモーレンジが救済して20年余り。本格的に蒸留を再開したときのモルトをここに来てリリースした入魂の作だと思う。
これがなんと定番商品ということらしいので、今回は2000年蒸留のモルトだけれど、来年は2001年のモルト、次は2002年のという感じで毎年出てくるのだと思われる。今回の最初のバージョンが、来年以降を判定する「メートル原器」になるのではないだろうか。
アードベッグには、かつては「30年」なんてのもあったけれど、確かにまろやかではあるけれどアイラらしさという意味では熟成とともに失われるものもある、ということも感じられた。しかし、今回のトリー・バンにはその感じはなく、アイラモルトとして最高レベルのバランスと完成度だと思わされた。
アードベッグはグレンモーレンジによって再生されてから、「ベリーヤング」「スティルヤング」「オールモスト・ゼア」などを順に出しつつ、10年かけてスタンダードな「TEN」を完成させ、「アリーナムビースト」「ガリレオ」「アードボッグ」などの特別バージョンも交えつつ、今回のトリー・バンまで持って来たわけで、蒸留所長のドクター・ビル・ラムズデンは本当に素晴らしいエンジニアだと思う。
以下、参考リンク。
>プレスリリース
>オフィシャルサイトの「歴史」
>2004年に書いたベリーヤングについての駄文
コメント