今週末から中央競馬は無観客での札幌開催だ。
親父が薄野で居酒屋をやっていた関係で、競馬場に酒を入れている酒屋からバイトの声が掛かって、毎週、札幌競馬場で働いていた。自宅からは自転車で20分くらいだった。
パドック脇の売店が拠点で、客にビールやオロナミンCを売るのは毎年来ているおばちゃん達で、オレはスタンドの最上階までビールだの板氷だのを運んだり、空き瓶を回収してきたり、なんて力仕事だった。パドック脇なので、空き瓶を割ったりすると馬が驚いちまうので片付けは慎重に、だった。
ビールは、1回に大瓶3ケースくらいを担いで特観席まで登っていくのだった。行きは中身が入っていることを覚悟しているので、重いことは重いもののそれなりに用心しているのだが、空き瓶を回収するときは、空だと思って4ケースくらい担ごうとすると、けっこうな飲み残しがあって思ったよりはるかに重くて危ないのだった。
当時から腰痛持ちだったので、かなり用心していたけれど、そんなに飲み残しがあるとはまったく想定外だった(オレなら瓶ビールを開栓したら絶対に全部飲むw)。
ビールは重いだけだったけれど、氷は業務用のデカい板氷で、重い上に持ちにくく、さらに最上階に着くころには、両手・両腕がすっかりかじかんでいるのだった。
当時の札幌競馬場は、ダートだけだった。バイト代は馬券に消える、ってのはお約束だ。
ずいぶん前の夏休みに札幌に行ったときに、久しぶりに札幌競馬場に行った。札幌の芝コースを現地で見るのは、このときが初めてだった。その日はメインがクイーンステークスで、パドックで良く見えた3頭で決まって3万円くらい勝って、薄野に飯を食いに行った。
ヤマカツスズランで調べてみたら2001年だった。10年くらい前かと思っていたが、もう20年も経つのか、、、。
ビール3ケースは結構な重さではあれど、当時は、エレベーター設置前のビル建設現場で、内装用の石膏ボードをすべての階に運び上げる、というバイトもやっていて、サブロクの9mmなら10枚、12mmなら8枚くらい(90kgくらいか?)を1回に持って階段を上っていた。おかげで、背筋力は280kgくらいあった。
仕事がある日は、午前中1カ所で5000円、午後別のところで5000円で石膏ボードを運んで、夜は夜間清掃のバイトで5000円。1日1万5000円だったが、1カ月休まず働いても45万円にしかならず、しかも税金を抜かれる、ということに気付いて、これは人生はヤバいと思ったのだった。
そして、新卒で国産コンピュータ・メーカーにシステムエンジニアで就職したら、手取り11万円で、ますますヤバいと感じたのだった。
#爺さんの昔話