引っ越して約2カ月、ポータブルのCDラジオ(約7000円の代物)一発で誤魔化していた仕事部屋のリスニング環境、ようやく多少まともにすることができた。
新規調達したのは、DENONの安価なCDレシーバー。CDプレーヤ、FM/AMラジオ、Bluetooth接続、アナログ入力、デジタル光入力×2(使わないのだがw)が1台にまとまっていて、これ1台で手持ちのソース(アナログLP、CD、スマフォに溜めたアナログLPをMP3に変換したファイル)が全部再生可能となる。プリメインアンプとCDプレーヤなどは置く場所がない、というのも理由のひとつ。3万円くらいなのだが、アマゾンカード新規加入でもらった5000ポイントを充てた。
もう少し上のグレードの製品だと、ストリーミング系サービスに対応していて、スマフォやPCがなくてもそれらが再生可能になるのだが、そもそもストリーミング系サービスは使っていない。また、デジタル系のサービスにはバージョンアップが付きものだし、端末側をそれに対応させる必要がある。そうなるとアナログを再生するための機器の製品寿命がデジタルに引っ張られて意図せず短縮される可能性がある。そういうわけで、ネット対応ではないものを選んだ。これ、レンズは気に入ったら張り込んでも長く使えるから良いけれど、デジカメボディはPCより製品寿命が短いくらいなのでハイエンドは買う気にならない、というデジタル系製品の宿命のようなものという点で相通じるものがある。
アナログプレーヤは、DENONのフルオートのアナログプレーヤ。2017年に買った電源スイッチさえついていない安い(約8000円)もので、ON/OFFスイッチのついたコンセントを介して電源を取る。CDレシーバーのアンプ部にはフォノイコライザーが入っていないので、プレーヤの内蔵イコライザをONにしてAUX用のアナログ音声を出力する。
スピーカは、ずいぶん前(多分、2001年くらい)に作った自作のエンクロージュア。ユニットはアルテックの同軸2ウェイ。レンジは狭いけれど、振動系の慣性重量が軽い感じでアンプを選ばないユニットだ。ウーファのコーンをちょっと破いちまったのだけれど(写真は破れていない方)、補修したのでほとんど気にならない。けっこうな期間の慣らしが必要だと思うとスピーカを新調する気にはならなかったし、ちょうど遊んでいたこのスピーカを再活用したかった(昔のブログエントリ「スピーカーを作ろう!」を参照)。
そういうわけで、セッティングに入る。CDレシーバーとアナログプレーヤは同じ書棚の天板に、左右スピーカは独立した棚(左右とも同じ高さのカラーボックスだが材質が異なるもの)に横にして乗せる。横にしたのは、音像が高くなり過ぎるのを避けるためと、スピーカの上にもCDを積んでしまいたい、ということで。棚同士はわずかに離してあるので、アナログプレーヤにスピーカーの振動は伝わりにくいはず。
スピーカ、アナログプレーヤ、FMとAMのアンテナ(付属品)などをつないでから電源を入れる。その状態で、デジタル入力機器(手元にない)以外の全てのソースがちゃんとステレオで左右正しく鳴ることを確認してから各種設定をする。
まずは、DENONの特定のスピーカ特性に合わせて音をイコライズする設定をOFFにする(出荷時はONなのだな:苦笑)。ラウドネス的な設定もOFF、トーンダイレクトにして音の色付けをなくす。次に、1950年代のモノラル録音のジャズのLPを再生して普段のリスニングポジション(ちょっと左寄り)でのセンターを調整。
さらに、FMラジオのチャンネルを自動セットしたり、時計を合わせたり。最後にスマフォとBluetooth(使わないときはBluetoothのスイッチを8秒長押ししてOFFにして音質劣化を防ぐという仕様)でつないで、スマフォに溜めたアナログLPをMP3にした音源を再生できることを確認して、とりあえずの設定が完了。
チェック用CDは1977年のスタッフのセカンドアルバム「More Stuff」。各種設定前はモコモコしていたのだが、悪くない感じで鳴るようになった。イントロのスネアが「ガッドの音」で変な響きが付かず、左チャンネルからコーネル・デュプリーのリズムギターがご機嫌に聴こえてくれば、それでほぼOKではあるのだがw
今回、書棚やカラーボックスの類を壁に寄せて並べ、その上にオーディオ機器を乗せ、パンダが不気味な引っ越し段ボールに入ったままだった本など(大した量ではないのだが)を棚に移して、2カ月経ってようやく引っ越しの片付けが完了した。棚は、中身が詰まって重いことがオーディオ機器を乗せるには肝要だ。
こんなチープで適当なシステム&セッティングでも、いくつかチューニングのポイントはあるものだ。低域をほんの少しブーストしたり、センターを部妙に調整し直したり、スピーカーの内向き加減を左右で微妙に変えたり、などなど。なんだかんだと、落ち着くまでに2、3日かかった。いやー、そこそこイイ音になったなーw