インドカレーの仕上げに加えてコクとフレッシュな香りを出す、あるいは肉をスパイスとヨーグルトの中に漬け込むときなどに使うのが「ガラムマサラ」である。市販品も何種類もあるが、なかなか「これだ!」というものはない。
ガラムは辛い、熱い、マサラは混ぜたもの、というような意味だ。自分の好みのスパイスと分量を見付け出すことで、カレーのオリジナリティが高まるし、何より香り高い美味しいカレーに仕上げることができる。インドカレーを自分でつくるなら「ガラムマサラは自分でつくれ」である。
スパイスの種類と分量の組み合わせは無数にあるし、料理人によっての個性もある。あまり堅苦しく考えず、少しずつ作っては微調整していくうちに、自分の好みの配合を見つけ出す、くらいの姿勢で始めよう。材料となるスパイスについては、市販品のラベルに記載されているものを参考にして、自分なりにその製品で不満だった点を微調整しても良いし、次に挙げるレシピを参考にしてもらっても良い。
・コリアンダー 50cc
・クミン 50cc
・メース 30㏄
・カルダモン 20㏄
・ブラックペッパー 10㏄
・赤唐辛子 3、4本
・ビッグカルダモン 2粒
・シナモンスティック 2本
分量の数字はおおまかなものであって、先に挙げたものが多い、くらいのアバウトな感じで構わない。中心的存在なのは、上位の4種のスパイスとシナモンスティックだ。全体の量はちょっと多いが、見た目のバランスは写真のような感じだ。まずは、このくらいの感じでつくってみて、自分の好みに合わせて、強くするもの弱くするものを調整する。
ビッグカルダモン(ブラックカルダモンとも呼ぶ)やメース(ナツメグの種子の周りの皮)は、スーパーなどではなかなか手に入らないので、ネット通販を利用すると良い。辛さはカレー本体に入れるカイエンペッパーで調整できるので、赤唐辛子は省略しても良い。
これ以外だと、クローブ、スターアニス(八角)、ベイリーフなどを入れることもある。クローブであれば、パウダーを後で適量混ぜ込むという手もある。
以上のスパイス全てをフライパンで焦げない程度に軽く乾煎りする。粗熱が取れたら、コーヒー豆を挽くためのグラインダー(コーヒー用とは別にスパイス専用を用意する)で粉砕する。
これで、オリジナルのガラムマサラの完成だ。密閉できる空き瓶などに入れて保存する。香りはだんだん飛んでいくので、あまり作り過ぎないことが肝要だ。次回のために、材料とその分量などを控えておくと、再現性が高まるし、さらに微調整するときに役に立つ。
スパイスの小さな空き瓶などに小出しにして使うが、使う前に適当な目のザル(茶漉しだと目が細かすぎる)で軽く振って、粉砕し切れなかったカルダモンの皮など、口に残りそうなものを取り除いておくと良い。下の写真はまだそれらが残った状態だ。
下記の参考リンクでも触れているが、ガラムマサラは和食でいえば七味唐辛子のような存在だ。また、基本のパウダースパイスであるパプリカ、ターメリック、カイエン(赤唐辛子を入れることはあるが)が入っていない。こんな風に捉えると、インドカレーにおけるガラムマサラのポジションというものが理解しやすいだろう。
揚げたてのフライドポテトに塩とガラムマサラを振り掛けると「マサラポテト」となる。また、ある人は、ハムカツにウスターソースを掛けてそこにガラムマサラを振って食べると美味しいという。ガラムマサラが活躍するのはカレーだけではない。
・参考リンク
2)「ガラムマサラ」とは何なのか?
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