中華料理の陳建一さんが、家庭を意識してとても分かりやすく敷居を下げた動画を公開している。中華鍋ではなくて焦げにくいフライパンだし、これ見よがしに鍋を振ったりもしない。火はカセットコンロだし、ニンニクもショウガもチューブだったりする。その動画の中のエビチリを見て、エビの下処理を参考にしてインドカレーをつくったら、抜群だった。
考えてみるとエビカレーというのは、エビチリのエビの下味をインドスパイスに、チリソースはトマトベースのマサラ(カレーベース)にしたようなものだから、実はほとんど相似な料理ともいえる。
エビは、アタマを落としてあるだけの殻付きのバナメイ10尾くらい(2人前見当。以下の材料の分量も同様)。まず、殻をむいて背ワタを取る。次に塩少々、片栗粉、水で揉みながらエビをキレイに洗う。流水で粉を洗い流して、水気を拭き取ったら、塩、パプリカ、ターメリック、シナモン少々で下味を付け、片栗粉を軽くまぶす。これをフライパンで軽く焼いて、エビの回りを焼けた片栗粉でコーティングする(ここまで、文末の陳建一さんの動画を参考に)。これを別皿に取り出しておいて、後でマサラに投入する。
鍋に油を敷いて、ブラウンマスタードシードを熱する。プチプチと鳴り出したら、ニンニク2欠片のみじん切りを投入し、きつね色になるまで炒める。タマネギ半分のみじん切りを投入しさらに炒める。タマネギが透き通ってきたら、ニンニクよりちょっと多めのショウガのみじん切り(粒度はニンニクより粗め)を加える。
全体に馴染んできたら、トマト1個の粗みじんを加える。トマトが潰れてきたら、塩少々とパウダースパイス(パプリカ10cc、ターメリック7㏄、カイエン5㏄見当)を加え、スパイスに火を通す。ここまででトマトベースのマサラがほぼ完成なのだけれど、エビカレーということでココナッツミルクを適量(50-80㏄くらい。様子を見て&お好みで)入れる。また、隠し味にナンプラーとレモン汁をそれぞれほんの少し入れる(省略してもOK)。
味を確認して、塩気に過不足あるときは水(場合によってはココナッツミルクでも)か塩を足す。味が決まったら、焼いておいたエビを加えて完全に火を通す。火が通る直前に食べやすい大きさに切っておいた万願寺唐辛子1本を加え、全体に馴染ませたら、ガラムマサラ5㏄を振り入れて混ぜ込み、火を止める。万願寺唐辛子は余熱で丁度良く火が入る。
万願寺唐辛子はピーマンやパプリカでも良いし、パクチーやパセリなどの緑のハーブを刻んでトッピングしても良い。オクラを入れて「海老とオクラのカレー」にしても美味いと思う。同じような感じで、帆立、イカ、カジキなどのカレーにも広げることができる。
エビは、下処理のおかげでふっくらしているし、味わいが良く分かる。何もせずに単に洗っただけのエビをマサラに投入すると、どうしても火が入り過ぎて縮んで固くなってしまうし、エビの味わいも逃げてしまう。安いエビでも「キレイにしてから下味を付けて、全体を焼いた片栗粉でコーティングする」という一手間でずいぶん変わる。
・参考リンク
陳建一さんの「おうちで食べチャイナ エビチリ」
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。