写真の野菜カレーは、ジャガイモ、パプリカ、ミニトマト、ナス、オクラでちょっとドライに作ったもの。野菜は冷蔵庫にあるもので良いのだけれど、あまりたくさんの種類を入れないことと、ジャガイモが煮崩れたり、他の素材に火が入り過ぎたりして、いわゆる「ごった煮」になってしまわないことがポイント。
齧ったときに、その素材の味わいと歯応えがはっきりと感じられることが肝要だ。そのために、火の通りやすさを考慮して素材を入れる順番とタイミング、でき上りまでの加熱時間を考慮する。例えばオクラなんかは、生でも食べられるくらいだしすぐに火が入る。カットせずに丸のまま入れても良いが、その場合は加熱時間は多少長くする。ナスの場合は、事前に素揚げにしたりアジョワンをちょっと入れたサラダ油で炒めておいて、完成直前に入れたりする。
あるインド料理店の野菜カレーには、干しブドウが入っていた。特有の甘酸っぱさが、野菜カレーのアクセントにとても良いと感じられた。生のブドウやジャムなど、果物の味わいを適量入れると美味しくなると思う。
カレーベース(マサラ)からつくって、だんだん素材を投入していくのが、本来のつくり方ではある。しかし、ベースになりうるシンプルなカレー、例えばアルジラ(クミンが効いたジャガイモのカレー) を作っておいて、そこに下処理した他の野菜を投入して、辛味と塩気を調節してガラムマサラで仕上げる、というような「方便」でも、とても美味しい野菜カレーができ上る。
写真のトッピングはパクチーだが、刻んで完成間際の鍋に入れてざっくりと混ぜ込んでちょっと火を通しても良いし、写真のように生で添えて混ぜながら食べるのも美味しい。パクチーが苦手なら、パセリ、青ネギ、ホウレンソウ、ピーマンの千切りなどでも良い。緑があった方が美味しそう、というくらいでもあるので、その辺はお好みで。
2019年秋まで営業していた店では、ヒマ(冬は特に)なときには「まかない」と称して、カレーを作っちゃ食い、作っちゃ食いを千本ノック(ま、数百本の下の方だろうけれど)のごとく繰り返しては、美味い美味いと自画自賛しつつ平らげていた。いま思えば、とても幸せな日々でもあった。
自分用なので、カイエンたっぷりでビシッと辛くする。ご飯で食べても良いけれど、ドライな野菜のカレーは、チャパティ(一つ前のエントリで業務スーパーのチャパティを紹介済み)がお勧めだ。チャパティは、発酵過程がないしフライパンで焼けるので、自分でつくってもまず失敗しない。
[参考リンク]
・基本のカレーベース(マサラ)(WirelessWire News)
・アルジラ
・ガラムマサラ
・業務スーパーのチャパティとパラタ
・チャパティのつくり方(WirelessWire News)