プライベートブログのほうにも、他の本といっしょのエントリで書いたのだけれど、Webが何のためにあるか、あるいは広告や販促ってことを考える立場であるならば必読ではないか、と思える本なので、このビジネスブログにも掲載しておきます。
広告やマーケティングにおいて、経験上なんとなく大事だと思っていること、僕も参加しているコミュニティ(OVALLINK:このブログの右上にバナー)で2003年くらいからずっと話題になっていたこと、などについて、広告プランニングが本職の筆者が、研究チームと共同で脳の内部の活動を測定する実験を通して確認した結果をまとめた本。
例えば下記。
・コンテクスト、ストーリーの中での商品PRが大事
・視覚よりも音と匂い、触感で釣れ(リアルな五感が大事)
・具体のスペックよりもそれを使っているイケてる自分のイメージ
・「恐怖」というのは最も強烈なメッセージだ
・サブリミナル的な方法や繰り返すことは重要
・実は、無意識のうちにモノを選んでしまう。潜在意識がモノを選択する
・その潜在意識の連鎖につながる「ソマティック・マーカー」を作れるかどうか
というようなことを実験ベースで被験者の脳の活動の様子から確認したという内容。
一つ気になったのは、脳の同じところが活性化したときに厳密に同じ気持ちになっているのか、「同じところ」の把握の精度は十分なのか、脳はもっと精妙なのか、というような点だけれど、この領域に具体的な測定でここまで踏み込んだ話が、日本語で本になって普通に売ってるようになった、ということであり、既に当たり前のアプローチになってきている、ということは言えると思う。
多少、広告畑の人のスタンスが強いきらいはあるけれど、この先のネット(に限らないけれど)広告、販促、プロモーション、マーケティングというものを考える上で必読の書ではないか、と。
で、このプロジェクトのスポンサーの1社は博報堂。
普段、テレビはあまり見ないんだけれど、この手のアプローチは既に始まっているはず。
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